市川市
千葉港の歴史知って 写真や図面90枚を展示 ポートタワー&千葉県立美術館
千葉港周辺の歴史や幻の整備計画を紹介する「ちばみなとのいま・そしてみらい展」(千葉市みなと活性化協議会など主催)が21日、千葉市中央区の千葉ポートタワーと千葉県立美術館で開幕した。港を生かしたまちづくりを進める国土交通省の「みなとオアシス」への登録を記念。写真や図面計約90枚に加え同タワーの模型も並べ、当初の計画から現在の姿、今後の計画までを解説している。9月9日まで。
東京湾の最奥に位置する千葉港。北は市川市、南は袖ケ浦市まで6市にまたがり、海岸線は延長133キロ、港湾面積は約2万4800ヘクタールで、日本一の広さを誇る。そのうち同タワーが立つ千葉中央地区などが3月、国交省の「みなとオアシス」に登録された。
同タワーの展示では、1970年代にまとめられた周辺地域の整備計画「千葉港中央地区臨海公園計画」を中心に紹介。戦後の日本を代表する建築家、大高正人氏(23~2010年)の図面には同美術館や同タワーのほか、実現しなかったフェリーターミナルや見本市展示場、海洋博物館などが描かれている。
同計画は、歩行者と車の通路を上下に分けているのが特徴の一つ。同美術館の渡辺修一副館長は「大高の『歩車分離』の考え方が、ペデストリアンデッキが設置されている幕張新都心をはじめ、その後の千葉の都市デザインに大きな影響を与えている」と説明した。
当初計画されていたタワーの姿を模型で紹介する渡辺副館長=21日、千葉市中央区の千葉ポートタワー
同タワーの当初計画と現在の姿を比較できる模型も展示。当初計画の同タワーは高さ100メートルで長方形だったが、その後、現在の高さ125メートル、海風を受け流せるひし形に変更された。
第2会場の同美術館は戦前から戦後にかけての写真など、千葉港の歴史を振り返るパネルを展示。25日からは、小学生らが「未来の千葉みなと」をイメージして制作した立体模型が登場する。
千葉みなとでは年内の供用開始を目指し、2本目の桟橋の設置工事が進んでいる。渡辺副館長は「今後ますます観光面に力が入る千葉の港がどのように発展してきたか、展示を通じて知ってほしい」と期待する。